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海外での展示会出展に使える補助金・助成金を解説|支援主体ごとの代表的な制度と申請時の注意点

2026.01.09
1. アメリカ進出の進め方
監修者

米国の会計事務所にて、個人事業主から上場企業までアメリカ進出企業のバックオフィス業務を幅広く支援。会計・税務を軸に、SaaS・AIを活用した業務効率化・業務設計を得意とする。
米国公認会計士 / 米国税理士 (Enrolled Agent)

海外展示会に活用できる補助金・助成金は、制度ごとに目的や対象の範囲が大きく異なる。展示会への出展費用を主な対象とするものもあれば、海外展開や販路開拓全体を補助対象とする中で展示会への出展もその対象に含まれるという制度もある。

そのため、制度名だけを見て判断すると、「使えると思っていたが実は対象外だった」「想定していたコストが補助されなかった」といったケースも少なくない

本記事では、国や自治体による公的支援にくわえ、業界団体や商工会議所などが実施する制度も含め、海外展示会の出展費用に活用できる補助金・助成金の代表例をご紹介する。制度の違いを確認しながら、自社で利用できる支援制度を見つけるための参考にしていただければと思う。

1. 海外展示会に使える補助金・助成金の代表例

海外展示会に使える補助金・助成金は、支援主体ごとに内容や使い勝手が異なる。本記事では代表的な制度について、補助を行う団体の種類別に整理してご紹介する。なお、補助金・助成金の制度内容は年によって変更となるケースが多い。ここに記した制度の詳細はあくまで参考情報であり、より正確な情報についてはそれぞれの最新の募集要項を参照していただきたい。

1.1. 都道府県・市町村の各自治体

海外展示会を検討する際には、各自治体や自治体が関与する公的支援機関による支援事業をまず押さえておきたい。なぜならその多くは展示会出展に特化しており、利用ハードルの低い制度が多いためだ。以下では、代表的な支援制度についてご紹介する。

東京都

東京都にはそれぞれの区が主体となっている支援制度が多いため、自社が所在する区の制度は必ず個別に確認しておきたい

「展示会出展助成事業」

都内の中小企業が自社の商品やサービスを広く知ってもらい、販路を広げるために行う展示会出展の費用を支援する制度である。助成額は最大150万円で、展示会出展など販路拡大にかかる経費のうち原則として3分の2までが助成対象となる。

「市場開拓助成事業」

すでに商品化され販売可能な都内中小企業の製品・サービスを対象に、展示会出展や販促活動を通じた販路拡大を支援する制度である。成長産業分野や東京都の支援実績のある製品などを対象に、展示会出展費や広告・ECサイト制作等の経費について最大300万円、助成率2分の1以内で助成を受けることができる。

「港区・産業見本市等出展支援事業補助金」

東京都港区内の中小企業等が国内外の展示会に出展し販路拡大を図る際の費用の一部を支援する制度である。展示会出展費や装飾費、輸送費、パンフレット印刷費、通訳・翻訳費などを対象に、補助率は3分の2、上限は国内40万円・海外50万円まで補助を受けることが可能だ。

「文京区・展示会等出展費用補助金」

東京都文京区内の中小企業等が販路拡大や市場開拓を目的として国内外(オンラインを含む)の展示会に出展する際の費用を支援する制度である。出展料や(海外の場合は)通訳費・輸送費を対象に、補助率は2分の1、上限は国内・オンライン10万円、海外30万円まで補助を受けることができる。

神奈川県

「海外展示会出展に関する助成金」

神奈川県内の中小企業等が海外展示会に出展し、新たな海外市場の開拓を目指す際の費用を支援する制度である。展示会の出展料に加え、海外展示会で活用するPR動画の制作費なども対象となり、補助率は2分の1、上限30万円(開催地域によって増減)まで助成される。

「横浜市・海外展開助成金」

横浜市内の中小企業等が海外での販路開拓や事業展開に取り組む際に必要な費用の一部を支援する制度である。展示会出展費や専門家への謝金、設備購入費などを対象に、補助率は2分の1、上限30万円まで助成される。

愛知県

「海外販路開拓支援事業補助金」

アメリカの関税措置の影響を受ける(または受ける見込みのある)県内の中小・中堅企業が新たな海外市場を開拓するために海外展示会・見本市へ出展する際の費用を支援する制度である。日本・アメリカ以外で開催される展示会を対象に、出展料や小間料などの経費について補助率は3分の2、上限50万円まで補助を受けることが可能だ。

大阪府

東京都と同様に、大阪府も多くの市町村が独自の制度を提供している。自社が所在する市町村の制度は必ず確認しておきたい。

「大規模展示商談会活用事業(出展支援事業)」

大阪府の「大規模展示商談会活用事業(出展支援事業)」は、大阪のものづくり中小企業が国内の展示・商談会を活用して販路開拓に取り組む際、出展に必要な知識の習得と出展費用の一部を支援する制度である。指定された展示商談会への出展を対象に、講習会や専門家によるアドバイスに加え、小間料や装飾費について補助率2分の1、上限25万円の補助が受けられる。

「岸和田市・”がんばる岸和田” 企業経営支援補助金」

大阪府岸和田市の「がんばる岸和田」企業経営支援補助金は、市内の中小企業等が展示会出展や商品PRなどを通じて販路を広げる取り組みを支援する制度である。国内外の展示会出展費用や動画制作費などを対象に、補助率は2分の1、上限20万円まで補助を受けることができる。

「堺市・グローバル展開促進事業補助金」

大阪府堺市の「グローバル展開促進事業補助金」は、堺市内に本社機能を持つ中小企業が海外での販路開拓や拠点設立などグローバル展開に取り組む際の費用を支援する制度である。海外展示会出展やオンライン商談、現地調査、越境ECなどを対象に、補助率は30%、上限30万円まで補助を受けることができる。

1.2. JETRO(日本貿易振興機構)

2025年時点では、日本貿易振興機構(JETRO)が海外展示会出展に対して現金を直接支給する補助金制度は設けられていない。一方で、ジャパンブースへの出展支援などを通じて、出展手続きやブース設営、輸送・広報までをパッケージで支援しており、結果として出展コストや実務負担を抑えることができる。補助金ではないものの、実質的な出展支援策として必ず確認しておきたい制度といえる。

展示会 (JETRO主催) のジャパンブースへの出展支援

JETRO主催の海外見本市「ジャパンブース」出展支援では、JETROが手続きやブース設営、輸送、現地広報などを一括でサポートし、日本企業が共同で海外展示会に出展できる仕組みとなっている。単独出展に比べて負担やコストを抑えつつ、来場者との直接対話による効果的なPRや市場調査が行える点が大きな特徴である。

画像引用元:JETRO 公式サイト(クリックで該当ページへ飛びます)

1.3. 業界団体および商工会議所など

業界団体や商工会議所などが実施する支援制度も、海外展示会を検討するうえで確認しておきたい選択肢の一つである。その多くは海外展示会専門の制度ではないものの、展示会出展費用が対象に含まれるケースがあるため併せて確認しておきたい。

小規模事業者持続化補助金(全国商工会連合会)

全国商工会連合会の「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者が販路開拓や業務効率化に取り組む際の経費を幅広くサポートする、利用実績の多い代表的な補助金制度である。海外で行われる展示会への出展費用も主要な補助対象となっている。

海外展開トライアルサポート事業(にいがた産業創造機構)

にいがた産業創造機構の「海外展開トライアルサポート事業」は、新潟県内の中小企業が海外展開に挑戦するための調査・展示会出展をサポートする制度である。海外市場調査または海外見本市出展のいずれかを対象に、助成率50%、上限50万円まで助成を受けることができる。

2. 補助金・助成金利用時の注意点

海外展示会向けの補助金や助成金はその多くの制度が事後払いで、補助対象となる出展費用等は一度、その全額を自社で立て替える必要のあるケースが多い。特に海外展示会への出展は費用が嵩むことが多いため、会社の規模によっては資金繰りへの影響をみておいた方が良い。

さらに、個別の制度を詳しく見るとわかる通り、補助の対象となる経費の範囲はそれぞれに細かく定められている。例えば、一口に「展示会費用」といっても、通訳費や輸送費が対象外となるケースもある。補助の対象となる経費について申請前によく確認せずに進めると、補助を受けられない恐れがあるため注意しておきたい

3. まとめ

本記事では海外展示会に活用できる補助金・助成金について、支援主体ごとに代表的な制度をまとめた。制度ごとに補助の目的や補助の対象範囲は異なるため、申請をおこなう前に制度ごとの募集要項や補助対象となる経費の範囲等をしっかりと確認しておいた方が良いだろう。

なお、「海外進出をもう少し具体的に検討してみたい」と感じた方は、以下の記事も参考にしてみてほしい。100社超の海外展開事例をもとに、初めての海外進出で「失敗しない」ために押さえるべき考え方と進め方を5つのステップで解説している

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米国公認会計士・米国税理士(Enrolled Agent)

出身:愛知県 所属会計事務所:日系会計事務所(ニューヨーク・ロサンゼルスにオフィスがございます) 私は、皆様にとって身近に相談できる会計士でありたいと願い、日々業務に取り組んでいます。アメリカでの起業やビジネスの運営には、日本では聞き慣れない専門用語も多く、特に会計士や税理士の行う業務は皆様にとってブラックボックスになりやすい分野かと思います。 ご相談をお受けする際には、できるだけ難解な専門用語を使わず、全体像をイメージしながら次のアクションが明確になるような説明を心がけています。皆様の不安や負担を少しでも軽くし、本業に安心して集中していただける体制整備に少しでも貢献できればと考えています。 会計士や税理士に相談するのは少しハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。そのような方には、まずはこのサイトをご覧いただき、私共やその仕事内容を少しでも身近に感じていただければ嬉しく思います。

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